Android での「顔認証」というと、少し前まではロック画面の解除にしか使用できませんでしたが、Pixel 8 シリーズから制限が緩和され、指紋認証と同様にアプリの起動や購入時の支払い、パスキーでのサイトログインにも使用できるようになりました。つまり、指紋認証と顔認証はほぼ同等の扱いになったということです。
これは、Pixel 8 シリーズに搭載された最新の Tensor G3 チップにおいて機械学習機能が改良されたことによって実現したため、今のところ、Pixel 8、Pixel 8 Pro 以外の機種で制限は解除されていませんが、スマホの AI 能力はメーカー問わず日々向上しており、将来的には全ての Android デバイスでも同様の扱いになると予想されます。
実際の認証時は指紋認証と似たダイヤログ画面がポップアップするのでスマホの画面を見てアイコンの表示が笑顔に変わったら認証成功です。その後、画面右下に「確認」ボタンが表示され、それをタップすると認証は完了します。認証の流れとしては非常にシンプルです。
スクショ上の「確認」ボタンを押す行為はオプション画面でスキップできる仕様ですが、実際に試した中ではたとえ確認ボタンの表示を無効化したとしても表示されるアプリが多く、その実装はアプリ側の対応によっても違います。参考までに nanaco アプリは確認ボタンをスキップして完全にハンズフリーで認証できました。
また、顔認証と指紋認証を両方有効にした場合は、指紋認証が優先され、顔認証による本人確認は行われません。顔認証を利用するには指紋認証を無効にしておく必要があります。
それぞれの認証方式にはメリット・デメリットがあります。指紋認証は比較的安全なものの、必ず画面や指紋リーダーをタッチする必要があります。一方、顔認証はハンズフリーで認証できる一方、サングラスやマスクの着用中、暗い場所では認証をミスすることがあり、安全性と確実性を優先するなら指紋認証を、利便性を優先するなら顔認証の利用をお勧めします。