Android へ Apple iMessage を取り込むチャレンジは様々な企業によって行われており、最近の試みとしては、統合メッセージアプリ「Beeper」も iMessage に機能を限定した Android 用 iMessage クライアント「Beeper Mini」をリリースしました。しかし、サービスの展開は順調には行かず、アプリのリリース直後にサービスがダウンし、数日後に回避策が講じられたおかげで復活しましたが、その後、Apple からのブロックにより再び機能を失いました。こうした一連のトラブルを受けてアプリの開発元は 12 月 22 日に Android ユーザーに iMessage をもたらす取り組みを事実上断念する声明を発表しました。
今月 6 日にリリースされた Beeper Mini は既に Google Play ストアから削除されており、もうアプリをインストールすることはできなくなっています。同社はアプリの公開を停止した理由を明確には述べていませんが、おそらく、Apple からの妨害や圧力によってサービス維持が困難になったからだと推察されます。Beeper Mini は Apple より許可を得たわけでも認定を受けたわけでもないアプリなので、結局は、立場の弱いサードパーティ製アプリは Apple の方針に従う必要に迫られこの判断に至ったと思われます。
Beeper Mini は、Android ユーザーと iPhone ユーザーとの会話を暗号化されていない緑のバブルから暗号化された青いバブルにアップグレードすることで、両者の間のメッセージ体験を向上させるために開発され、当初からこの目的は変わっていません。しかしながら、アプリのリリース後には iPhone ユーザーのアカウント情報やメッセージが漏洩または搾取されるとの危険性が指摘されていました。この点について Beeper は、アプリの iMessage 接続機能をオープンソース化してまで自社の潔白を主張していますが、おそらくこれは焼け石に水。いかに安全だったとしても Apple から認められることはないでしょう。
安全性に自信を持つ BeeperMini であっても許可されない状況なので、サードパーティ製の iMessage クライアントは今後も実現不可と予想されます。
Source : Beeper