Androidの補助機能「選択して読み上げ」の知られざるメリットを解説

HOW TO

ほぼ全ての Android スマートフォンにはスマホ画面内の文字を音声で読み上げる「選択して読み上げ」というアクセシビリティ機能が備わっています。これは本来、目の悪い方や視覚障害を持つ方を補助する目的で提供されていますが、目への負担を軽減できますし、アプリによっては作業を時短できたりと何かと便利。一般の方も使って良い機能です。そこで今回は、「選択して読み上げ」の知られざる有能さと機能の使い方を紹介します。

「選択して読み上げ」の活用事例

読み上げ系アプリはよく Web サイトの閲覧に便利だと紹介されていますが、「選択して読み上げ」は殆ど全てのアプリの文字をほぼ正確に読み上げるので、Web 閲覧以外の用途にも活用できます。

簡単な例としては、LINE です。LINE の場合、トーク画面の吹き出し部分をタップすればメッセージ全文を読み上げてくれますし、テキストエリアに入力した文章をタップすれば送信前の文書チェックに役立ちます。また、最近流行りの生成 AI アプリでは、チャットボットが出力した長文の回答を全文読み上げるので確認に殆ど手間がかかりません。

長文といえば、アプリ利用開始時に表示される利用規約や約款、毎日大量に送信されるキャンペーンやイベント情報も「選択して読み上げ」を利用すれば殆ど画面を見ずに内容を確認できます。特にキャンペーン情報には貴重なものも多く、そうした情報の見逃しを防ぐことにも役立ちます。

個人的に頻繁に利用するのが動画配信アプリでの作品名チェックです。「選択して読み上げ」は画像に付けられた文字ラベルも読み上げ対象となっているので、例えば、Netflix ではサムネイル画像をタップするだけで作品タイトルを確認できます。いちいち詳細ページを開かなくて済むので、地味に便利な使い方だと思います。

最後に、メールアプリの新着チェックにも「選択して読み上げ」が役立ちます。例えば Gmail の場合、メール一覧で「選択して読み上げ」を実行すると、メールのタイトルと序文を音声で読み上げるので、メールを開くことなく 4 〜 5 通の新着メールをチェックできます。

「選択して読み上げ」の設定

Android のシステム設定メニューを開き、「ユーザー補助」 → 「選択して読み上げ」 → 「選択して読み上げのショートカット」を ON にします。

続いて、読み上げの起動方法を設定します。現在は、音量大小ボタンの同時長押し、画面ボタンのタップ、2 本指で画面の下から上荷スワイプアップのいずれかの方法で開始でき、これら 3 つのうち、2 つを同時に有効化できます。

最後に、同じ画面の「設定」をタップして、「バックグラウンドで読み上げ」を ON にします。このオプションを ON にすると、読み上げ中でもアプリの操作が可能になります。OFF の場合は、一旦読み上げが終了しないと次の操作には移れません。

あとは必要に応じて機械音声の読み上げ速度とトーンを設定します。「テキストの読み上げ設定」を開き、「音声の速度」と「音声の高さ」のスライダーを調節して好みの速度・トーンにカスタマイズします。

「選択して読み上げ」の使い方

前のセクションでも説明した起動方法を行うと、スマホがタッチでの文字選択を受け付けるようになります。画面右下の赤い再生ボタンがその目印です。

文字選択の受付中に画面をタップするとその行または項目の文字だけ読み上げられますが、複数の項目を連続して読み上げさせたいときは画面をドラッグします。画面中全ての文字を読み上げるには右下の赤い再生ボタンをタップします。

注意事項

「選択して読み上げ」は実用性の高い補助機能ではあるものの、使用するときには注意すべきことがあります。

1 つ目はプライバシー問題です。あらゆる文字を読み上げる性質上、名前や電話番号、住所などの個人情報も音声で読み上げます。周りに人がいたら聞かれるので、「選択して読み上げ」はイヤホン装着中か周りに人がいない場所で使用することを強く推奨します。

2 つ目は不要な文字の読み上げです。例えばメールアプリの場合、本文に記号を使って書かれた仕切り線なども一つひとつ読み上げられるので、一部の文書を読み上げ中には不要な部分も多く読み上げられることになります。

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