最近何かと話題に上る折りたたみスマホ。近年、その選択肢は徐々に増えており、今後、需要もより一層高まっていくと予想されます。そんな中、Google は消費者に対して折りたたみデバイスの優れた品質を保証することを目的に、折りたたみデバイスに関する新たなハードウェア要件を設定することを計画していると、Android の専門家として有名な Mishaal Rahman 氏が暴露しました。
要件とは、本体の開閉動作を 20 万回行った後でも十分の耐久性を持つことです。また、「トルクヒンジ」を持つ折りたたみデバイス(例えば Pixel Fold)の場合は 20 万回の折りたたみ動作を行った後でもヒンジの摩擦耐久レベルが元の 80% 以上を維持していることも要求されるとのこと。
20 万回の開閉テストは、Samsung が自社で行う開閉テストの品質基準となる回数で、他者も 20 万回を一つの目安にして製品の耐久性を公表しています。
20 万回というと、一日あたり 100 回程度開閉したとしても 5 年間は問題なく使える回数です。スマホユーザー全体の一日あたりのロック解除回数は 50 回程度だと言われているので、開閉動作をこの50 回とした場合は 10 年間使用できることになります。一般的なスマホや PC、デジタル家電の耐用年数を考慮すると、5 〜 10 年間使用できれば十分だと言えます。
同氏はまた、Google は折りたたみデバイスを供給する OEM に対して少なくとも 2 回の Android OS アップグレードと 3 年間のセキュリティアップデートを実施することを要件に含めることも検討していると明らかにしました。
既に折りたたみスマホを販売している OEM はこのソフトウェア要件を守っているので特に対応を迫られることはなさそうです。おそらくこの要件は、今後の折りたたみスマホの需要を見込んで新規参入する大手以外の OEM に向けて、スマホを一切アップデートしない OEM には折りたたみスマホを作らせないという意味が込められていると思います。
折りたたみスマホの付加価値は高く、少々割高でも大手の製品よりずっと安ければそれなりに売れてしまいます。ソフトウェアアップデートを一切行わない OEM の製品品質は知れたものです。ところが、商品自体はそこそこのお値段。せっかく高いお金を出して購入したのにすぐに壊れたなんてクレームが多発するのも容易に想像できます。継続的なアップデートを提供できる体制を確立させている OEM にしか作らせないようにすることで、消費者が高額な粗悪品の被害に遭うのを防止しようとしているのでしょう。
Source : Android Authority