Google の有料会員向けサービス「Google One」の VPN 機能に、IP アドレスに基づくスマホの位置情報を地元地域か全国レベルかで切り替えることのできる新機能が追加されました。
Google One VPN では、7 月 29 日より IP アドレスの割当方法が変更され、初期の割当は現在の居住地に基づく IP アドレス地域に変わり、設定変更によって元の全国レベルに戻せる仕組みとなりました。今回の新機能はこの仕様変更に基づき実装されたものです。
仕様変更に伴い Google One アプリには VPN 設定画面に対応する新しいオプション項目「広範な IP アドレスの地域」が追加されています。デフォルトはオフとなっており、地元地域の IP アドレスが割り振られ、設定をオンに切り替えると以前と同じ全国レベルの IP アドレス割当に戻ります。
今回の記事でテーマとなっている「IP アドレスの地域」とは、携帯キャリアや契約しているインターネットサービスプロバイダー(ISP)が契約者に対して割り当てる IP アドレスのルーティングを担当するネットワークゲートウェイ機器の設置場所のことです。一般的に、IP アドレス(グローバル IP)が判ると、その IP アドレスの処理を担当するネットワーク設備の大まかな設置場所も明らかになります。通常、それは市区町村レベルの地域情報です。
Google One VPN の「IP アドレス地域」がオフのとき、スマホは最寄りの VPN ゲートウェイに接続されるため、そのゲートウェイの設置場所が IP アドレスの位置情報となります。設定を「広範な IP アドレス地域」に切り替えると、全国規模でランダムな VPN ゲートウェイに接続されるため、殆どの場合は在住している地域とは別の地域の IP アドレスが割り当てられ、スマホユーザーの居住地域を隠すことができます。
なぜデフォルトの設定がオフになったのかというと、アプリや Web サイトが提供する位置情報に基づくサービスを正しく機能させるためであり、サービスの利便性よりも居住地域の秘匿性を優先させたいと考えるなら、設定を広範な IP アドレスの地域に切り替えることをおすすめします。