Tecno、液体望遠マクロレンズ、W型可変絞り、UTテクノロジーでスマホカメラの課題を解決

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スマホの中で今著しい成長を遂げているのがイメージングの分野です。AI の発達が一番の要因かと思われますが、特にスマホ市場を牛耳りつつある中国メーカーらはカメラや光学技術の専門企業とタッグを組み研究開発を加速させており、スペックシート上はとても魅力的なスマホカメラを生み出しています。そんな中、中国の大手スマホブランド Tecno がスマホカメラの主要な課題を解決する革新的な新技術を公開し世間を驚かせました。

Tecno は中国で開催された Future Lens イベントにおいて、3 つの革新的なイメージング技術への取り組みを紹介しました。それは、液体望遠マクロレンズ、W 字型可変絞り、UT テクノロジーで、これらはスマホのスリムでコンパクトなフォームファクターを維持しながら一眼カメラに迫る画質を実現すべく考案されたイメージング技術となります。

まずはじめに、スマホカメラの課題の筆頭は望遠撮影に弱い点です。限られたスペースに長いレンズを積めば全体のバランスが崩れますし、そもそも現実的ではありません。このようにスマホのカメラは物理的な制限をもろに受ける要素となりますが、Tecno は液体レンズを業界で初めてスマホの望遠カメラに採用し課題に対処しています。

この新しいタイプの望遠カメラには特殊な液体が充填されたレンズモジュールが組み込まれており、ピント位置に応じて電気制御でその曲率を変化させ幅広い焦点距離に対応させています。また、液体望遠マクロレンズではより大きなイメージセンサーを使用でき、さらに一般的なペリスコープ型望遠モジュールでは構造的に実現しづらいマクロ撮影も可能で、最短 5cm まで被写体に寄れるそうです。

続く課題はレンズを絞れない問題です。スマホのカメラは長年にわたり開放絞り固定で構築されており、近年では可変絞りに対応したスマホカメラも出始めていますが、Tecno は W の形状をしたユニークな可変絞りを開発。これは、コウイカなどの一部のイカの目をヒントに考案された絞り構造で、これによりレンズの絞り幅が拡大し、逆光シーンなど光の強い条件の場合でも適切な露出設定で撮影できるとされています。

最後は肌の色を正しく再現できない問題です。この課題に対して Tecno は UT(Universal Tone)テクノロジーを開発しました。これは、マルチスキントーン復元エンジン、ローカルチューニングエンジン、コンピューテーショナルエンジンと呼ばれる 3 つの AI エンジンで構成され、AI による高度な補正処理によって人物の肌の色を正確に再現できるとされています。

これらの新技術がどのタイミングで世の中に登場するのかは不明ですが、いずれもモバイルイメージング業界に革命をもたらす可能性を秘めた期待度の高い技術です。まずは同社のフラッグシップスマホ Phantom シリーズに先行導入されることでしょう。

Source : Gadgetmatch

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