Xiaomi 120Wハイパー充電の実態をレポート

HOW TO

スマートフォンの充電性能は年々向上しており、今では多くのスマートフォンが急速充電に対応しています。急速充電といってもスマートフォンによって対応ワット数に差があり、殆どのスマートフォンは依然として長い時間の充電を必要としていますが、一部では 100W を超える圧倒的なスピードの急速充電も実用化されています。そこで今回は、120W ハイパー充電に対応した Xiaomi 12T Pro を用いて 100W を超えるバッテリー充電の実態をレポートします。

120W ってどのくらい速いの?

急速充電に対応したスマホの充電性能としては、20 ~ 30W が一般的なワット数なので、120W というと単純計算で 4 ~ 6 倍も性能が高いことになります。

バッテリー容量を 5,000mAh と仮定して 20 ~ 30W のワット数で充電すると、0% から 100% までの充電には 1 時間 ~ 1 時間半かかりますが、Xiaomi 12T Pro の 120W 充電ではメーカー公称 19 分でフル充電できるとされています。つまり、充電時間は 1 / 3 ~ 1/4 に短縮されることになります。

充電時間を実際に計測してみました。5% のバッテリー残量からスリープモード(画面 OFF)の状態で 120W 充電を開始したところ、たったの 20 分でフル充電されました。メーカー公称の 19 分には及びませんでしたが、実効性能としては十分に許容できる誤差だと言えます。

ちなみに、電源 OFF の状態で同様の充電テストを行ったところ、フル充電にかかった時間は約 25 分でした。Xiaomi 12T Pro の場合は、スマホを起動させた状態で充電した方がより短い時間で充電されます。この理由は後のセクションで解説しますが、簡単に言うと、電源 OFF 時の充電ワット数が起動時よりも低かったためです。

スマホの充電に 120W も必要?

今のスマホの多くは容量の大きいバッテリーを搭載しているので、使い方にもよりますが、日常生活の中でバッテリー切れとなることは滅多にありませんし、モバイルバッテリーや充電スポットなどの身の回りの充電環境も充実しているので、日々のスマホ使用において充電性能の良し悪しはさほど重要ではありません。しかし、充電時間が短ければ短いほどスマホの充電にまつわる悩みやストレスも減るので、精神的な負担という観点では短時間で充電できる能力は必要だと考えます。

個人的に一番のメリットは就寝中の過充電を止められることだと思います。起床後に充電を開始しても自宅を出るまでには十分の量が充電されるので、バッテリーに悪影響を及ぼす充電ケーブル繋ぎっぱなしを撲滅できます。

また、カフェでの休憩や飲食店での食事といった短い時間でも十分の容量を充電できるので、スマホ充電による待ち時間を短縮できますし、それによるイライラも減ります。特に屋外で頻繁にスマホを充電するような方は 120W 充電の恩恵は大きいと思います。

他にも、長電話やゲームに没頭していたためバッテリーがピンチの状態に陥っても 120W 重電ならものの数分でかなりの量を充電できるので、ピンチ状態からすぐに脱却できるのも 120W 充電の魅力です。

本当に 120W も出るの?

Xiaomi 12T Pro の充電性能はスペックシートでは 120W ですが、簡易的なワットチェッカーを用いて実際に計測したところ、私が実際に目にしたワット数は最大 105W でした。

120W に到達するどころか、100W を超えるワット数が出たのも 10% 未満のバッテリー残量のときの 20 秒程度とごくわずかな時間でした。あくまでも 120W というのはピーク時の性能であって常に 120W で充電されるわけではないことにご注意ください。

スマホ起動時における充電時のワット数の変化は次の通りです。

0 → 10% : 瞬間的に 100W を超えるが概ね 90W 台で充電される
10 → 60% : 80 ~ 85W で安定して重電される
60 → 80% : 80W から 55W 前後にまで徐々に落ちていく
80 → 90% : 50W 前後で安定
90 → 100% : 50W から徐々に 35W 前後にまで落ちていく

一方、電源 OFF の状態でのワット数の推移は次の通りです。

0 → 10% : 瞬間的に 100W を超えるものの、90 ~ 100W で充電される
10 → 90% : 50W 前後の安定したワット数で充電される
90 → 100% : 40W → 30W へと徐々に落ちていく

感覚的には電源 OFF 時の方がより短い時間で充電されると思うかもしれませんが、意外にも電源 ON の状態の方が高いワット数が出るため、その分、充電スピードも高速でした。より短い時間で充電したい場合はスマホの電源を入れて充電することをお勧めします。

120W 充電の注意点

1. 120W 充電には商品同梱の専用充電器が必要です。それ以外の充電器を使用した場合、20W 前後の性能しか出ません。

2. 120W 充電中はスマホの温度が大きく上昇するので本体がかなり熱くなります。4K 動画を 5 分間撮影したときと同じくらい熱くなるので熱暴走が懸念されますが、故障することはないのでご心配なく。

3. バッテリーに多大な負荷がかかるため、バッテリー劣化を促進させやしないか心配になりますが、スマホを 1 年間使用した後でもバッテリーの健康状態は「良好」を示していましたし、バッテリー持ちが極端に悪くなることもありませんでした。

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