現時点での Amazon の公開データによると、直近 1 ヶ月間で 1 万台も販売されたという大好評の完全ワイヤレスイヤホン「EarFun AIrPro 3」を私も購入しました。7 月に購入して 2 ヶ月弱の期間使用したところでの私の本商品についてのレビューを紹介します。
EarFun Air Pro 3 は、ハイレゾ級の音質を実現する高性能ハードウェアを搭載し、43dB の優れたアクティブノイズキャンセリング性能や Bluetooth 5.3 LE Audio などの最新技術を取り入れながらも、価格は 8,990 円と大変リーズナブルなワイヤレスイヤホンです。中国メーカー品ということで誇張した部分が多いのではないかと疑うかもしれませんが、実際に使用したところではほぼ紹介文通りの内容と言わざるを得えません。沢山のポジティブな評価が世間に広まった結果、販売数を伸ばしてきたのではないかと推測しています。
EarFun をご存知ではない方に向けて、EarFun は中国・深圳に本社を置く 2018 年に設立されたワイヤレスオーディオ機器専門のテクノロジー企業です。中華ブランドの一つですが、EarFun は既にグローバル市場で商品を販売しており、最近では様々なメディア賞を受賞するなど、急速に認知度が上昇しています。同社の商品が人気の理由は、手頃な価格なのに抜群の音質と性能を持つ商品が多く、高コスパのワイヤレスオーディオ製品を求めている方の心を鷲掴みにしているからだと思います。
EarFun Air Pro 3 の概要
今回紹介する EarFun Air Pro 3 は、11mm 径の大型ドライバーを搭載しており、アクティブノイズキャンセリング(ANC)、外音取り込み、低遅延ゲームモード、Bluetooth 5.3 LE Audio などをサポートした完全ワイヤレスイヤホンです。バッテリーケースは急速充電・ワイヤレス充電をサポートしており、バッテリーケースを使用すると最大 45 時間の連続視聴が可能です。
定価は 8,990 円ですが、Amazon ではタイムセールが頻繁に実施されており、定価よりも安く購入できる機会が多いので、セール中に購入することをおすすめします。私も 6,800 円で販売されていたときに購入しました。
通常、安価な中華イヤホンに良いイメージを持つことは殆どありませんが、EarFun Air Pro 3 に関しては例外です。このように断言した理由などを次の各セクションで述べていきます。
全体的にクリアでクセのない透明感のある音質
私が最初に EarFun Air Pro 3 を使用したときの第一印象は、「おぉ、意外と良い音じゃん」。しかも中低音域が不自然に強調されていたり、ボイス部分に変な歪みが生じることもなく全体的に透き通った音質です。それはまさに原音をハイレゾイヤホンで聴いている感覚に近いものがありました。
また、音楽停止中などの無音時には不快な低域ノイズは殆ど聴こえないレベルにまで抑えられており、ANC 機能を活用したデジタル耳栓としても十分利用できそうです。
技術的な面では、現在、EarFun Air Pro 3 は、SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive の Bluetooth コーデックをサポートしており、aptX Adaptive の場合は最大 24bit / 48KHz のハイレゾ品質で音楽を楽しめます。24bit / 96KHz で視聴可能な LDAC をサポートしていないことは少し残念ですが、それでも CD 品質を大きく上回る音質で視聴できることは EarFun Air Pro 3 のメリットだと言えます。
ちなみに、EarFun Air Pro 3 は Bluetooth 5.3 の LE Audio 規格をサポートする予定ですが、発売からしばらく経過した今でもそれには対応していない模様です。
見た目は悪いが抜群の装着感
商品写真をご覧の通り、EarFun Air Pro 3 の見た目はあまりよろしくありません。今回選択したカラーがブラックだからかもしれませんが、全体的にプラスチックのチープな質感の外装仕様で実際に開封したときには少しガッカリしました。しかしホワイトカラーの外観は多少マシなので、デザイン面を重視する場合はホワイトカラーを選択した方が良いかもしれません。
しかし、イヤホンの装着感は抜群で、多少激しく運動したところで簡単に外れることはありません。耳孔にピッタリとフィットする装着感なので、使い始めた頃は少し耳孔に圧迫感を覚えていましたが、使い慣れた今では長時間の装着も苦ではありません。むしろ、優れたフィット感により 、ANC 無効時でも多くの環境ノイズをカットできる良い設計だと思っています。
ノイキャン性能は実用的なレベル
EarFun Air Pro 3 の ANC 機能は、ノーマル(ANC OFF)、ノイズキャンセリング(ANC ON)、外音取り込みの 3 つのモードをサポートしており、これらは簡単に切り替えられるようになっています。
ノイズキャンセリングはしっかりと動作しており、ANC を有効にすると環境ノイズがノーマルモード時の半分程度にまで減ります。
ノイズキャンセリングの効果はほぼ商品紹介文の通りで、殆どの環境ノイズをカットしてくれます。私は国道沿いに住んでおり、常に公道を走行する車両ノイズに囲まれた生活を送っていますが、EarFun Air Pro 3 のノイズキャンセリングを有効にすると、慣れたとはいえ耳障りな走行ノイズは殆どかき消され、閑静な住宅街で視聴しているような感覚になりました。それでも緊急車両のサイレン音、単気筒オートバイやバッフルを外しているかのような爆音オートバイのマフラー音はそこそこ耳に入ってきます。
ノイズキャンセリング機能に関しては、特に文句はなく大変優秀だと評価していますが、一方で外音取り込みモードに関しては、明らかなデジタル音が含まれており、多少違和感を覚えました。それでも十分に周囲の音を取り込めており、イヤホン装着時でも周囲に気を配るという本来の目的はしっかりと果たしてくれます。
特出すべきこととして、どのモードを選択したとしても音質が変化することはなく、常に一定の音質を維持していることには関心しました。
遅延がきになるならゲームモード
EarFun Air Pro 3 は Bluetooth オーディオ機器なので、音の遅延はそれなりに生じます。それを解消する為に「ゲームモード」が備わっており、ゲームモードを有効にすると明らかに遅延は減りますが、それでも人間が気付く程度の若干の遅延は残ったままです。大半のゲームには十分の遅延レベルかもしれませんが、一部の動きの速いゲームにも適しているかどうかと聞かれれば「微妙」と答えます。完全に遅延を無くす機能ではありません。
専用アプリで設定が超簡単
EarFun Air Pro 3 をスマホとペアリングした後は「EarFun Audio」アプリで各種設定が行えます。アプリは日本語に対応しており、設定内容もシンプルなので、誰でもすぐに使い慣れるでしょう。
EarFun Air Pro 3 の操作は両方のイヤホンにあるタッチセンサーで行います。アプリでは各操作アクション(シングルタップ、ダブルタップ、トリプルタップ、長押し)に対して個別に機能を割り当てることができ、好みに合わせてアクションの役割を変更できます。
もちろん、EarFun Air Pro 3 は片耳使用も可能です。片方をバッテリーケースに収納した状態でも使用できます。初期の操作アクションの割当は両方を使用する設定ですが、アプリで割当を変更するだけで片耳利用に適したイヤホンになります。
丸一日使用できる長持ちバッテリー
バッテリー持ちの長さは EarFun Air Pro 3 の特徴の一つでもあり、実際に使用したところでは、イヤホンだけで 12 時間持続しました。バッテリーケースを併用すると最長 45 時間持つとされているので、少なくとも 3 回はフル充電できることになります。
欠点は見た目とタッチセンサー
ワイヤレスイヤホンとしての品質や性能、機能に関しては概ねポジティブな感想を抱いていますが、それでも前述のデザイン面とタッチセンサーの使いづらさには低評価を付けます。
デザインには好みもあるので欠点とは言えませんが、個人的には、「ちょっとダサいかな」という感想です。
タッチセンサーに関しては、レスポンスがワンテンポ遅いですし、センサー面も小さいことから、指がセンサー面を少し外すと押せないことがあり、例えば、ダブルタップしたつもりなのにシングルタップと認識され意図しない操作が行われることも頻繁に発生します。タッチセンサーはゆっくり確実に操作することを意識しなければならず、この点は不便に感じています。ただ、この点はハードウェアに関係する部分でもあるので、解消することはないかもしれませんが、レスポンスの悪さはどうにかしてほしいところです。
まとめ
総評です。私の感想は冒頭で既に示していますが、確かに「安かろう悪かろう」という安価な中国製品に対する偏見と合致する要素は一部に見られるものの、それはとても限定的であり、音質や性能、機能、使用感、バッテリー持ちなど、ワイヤレスイヤホンの本質的な部分にその片鱗は全く見られず、文字通り、価格以上の価値を提供します。
個人的な見解ですが、もし、EarFun Air Pro 3 が有名ブランドから 15,000 円前後で発売されたとしても、多くのユーザーは商品を高く評価しそうです。EarFun Air Pro 3 にはそのくらいの価値があります。
以上、長文記事となってしまいましたが、最後までお読みくださり、誠に有難うございました。