カメラ画質に定評のある Samsung の Galaxy スマホで動画をさらに高画質に記録する為のカメラアプリの設定を紹介します。カメラアプリの設定を変更するだけで簡単に高画質化でき、画質を優先させたいユーザーさんにおすすめします。
いったい何を変更するのかというと、動画記録時のビットレートです。ビットレートとはカメラが一秒間に送出する映像データ量のことで、Galaxy S23 などの比較的新しい Galaxy スマホのハイエンドモデルには、「高ビットレート動画」オプションが実装されており、これを有効にすると次のように通常モードの 2 倍程度のビットレートで記録されるようになります。
・ FHD 30fps 15Mbps 前後 → 30Mbps 前後
・ 4K 30fps 50Mbps 前後 → 95Mbp 前後
・ 4K 60fps 75Mbps 前後 → 150Mbps 前後
・ 8K 24fps 80Mbps 前後 → 200Mbps 前後
スマートフォンに限らずカメラで撮影した動画は基本的にファイル化される過程で圧縮され、センサー出力の RAW データから不要な情報が省かれます。ビットレートの値を上げるというのは情報量を RAW データに近づけることを意味する為、理論的にはビットレートが高ければ高いほど画質は向上します。
比較動画などの具体例は用意していませんが、ビットレートを上げると細部に見られるモザイクやボケが軽減されます。映像を全体で見れば通常モードも高ビットレートモードも画質に顕著な差は見られませんが、一部分をクローズアップして細部を見ると画質の不鮮明さに違いを確認できると思います。
ただ、ビットレートはファイル容量に直接影響を及ぼす要素でもあり、ビットレートを上げるとその分、動画のファイルサイズも大きくなります。画質とファイルサイズを天秤にかけてどちらを優先するのかによって高ビットレートモードの使用を判断するべきでしょう。
個人的には高ビットレートモードの使用をおすすめします。理由は単純、映像を高画質に残せるのならファイルサイズの増加には目を瞑れるからです。私がこのように判断したのは 4K 映像を 100Mbps を超えるビットレートで記録できることも影響しています。4K 100Mbps という画質レベルは一眼カメラの動画モードやビデオカメラなどの専用機でサポートされるレベルのビットレートであり、殆どのスマホはせいぜい 50Mbps 前後です。センサーサイズやレンズ品質との兼ね合いでスマホ動画が専用機の画質に匹敵するとは考えられませんが、スマホ間での比較なら Galaxy スマホの高ビットレートモードは群を抜いて高画質だと考えられます。