Pixel 8 シリーズと共に今年10 月に発表された Google の新 SoC 「Tensor G3」の詳細やベンチマークスコアに基づく前モデル Tensor G2 との性能差を紹介します。
Tensor シリーズも 3 作目にして前作から全体的にアップグレードされ、特に AI や機械学習の分野で大幅なパフォーマンス向上が図られた他、セキュリティ機能に対する能力も強化されています。
重要な CPU についてはコア設計が近代化されただけでなく、プライムコアとして高性能な Cortex-X3 が追加されて 9 コア CPU にアップグレードされました。クラスタ構成は次の通りです。
・ 1 コア ARM Cortex-X3 @ 2.91GHz
・ 4 コア ARM Cortex-A715 @ 2.36GHz
・ 4 コア ARM Cortex-A510 @ 1.70GHz
GeekBench の CPU テスト結果は、シングルコアが 1,664 点、マルチコアが 4,450 点で、Tensor G2 と比較するとスコアはそれぞれ 15%、18% 向上したことになります。
GPU は Tensor G2 の ARM Mali-G710 から ARM Mali-G715 にアップグレードされており、GeekBench の GPU テスト結果は 4,916 点と、Tensor G2 から 30% 向上していました。
続いて、TPU や NPU を含む AI プロセッサは Tensor G3 でアップグレードされたことでオンデバイス AI タスクの実行性能が Pixel 6 比 2 倍向上したと言われており、これにより、リアルタイムのオブジェクト検出と認識、自然言語処理、画像生成など、幅広い AI タスクをより高速に処理できるとされています。関連して、機械学習の精度向上により Pixel 8 では顔認証を画面ロックだけでなく本人確認や金融系アプリの生体認証にも活用できるようになりました。
最後に、前モデルの Tensor G2 は 5nm プロセスの SoC ですが、新しい Tensor G3 は 4nm プロセスで製造されており、プロセスの微細化による消費電力の低下も期待することができます。